LABORATORY デザインと写真の実験室

ボンネットトラック

2013.8.14 Wed

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▲横浜の青葉区で見つけたボンネットトラックの運転席の眺め。素っ気ないデザインだが、ダッシュボードに取り付けられた自作と思われる鉄製のテーブルの上のドリンクホルダーがこのトラックのドライバーを想像させる。ハンドル中央にあるマークで三菱製とわかった。

日曜日に横浜にある「寺家スタジオ」での「ちいさな、あかり」の映画会へ行った帰りに、その近くで見つけたボンネットトラック。既に現役は引退して廃車となっていたが、最近ではめずらしくなったボンネットタイプの姿に惹かれて撮影した。

運転席は飾り気のない男の仕事場という雰囲気が漂う。パワーアシストが付いた最近のトラックとは異なり、これを運転するのは結構な肉体労働だったと思われる。運転テクニックに加えて「腕力」と重たいクラッチを踏む「脚力」も必要だったのだろう。こんなトラックを一度は運転してみたいが腕っ節が強くないと無理そうだ。そして外観もまた無骨極まりない。その魅力は道具感とでも言ったらいいのか、一切の装飾を省き機能に徹した形があるだけだが、その姿は今見ると逆に非常に人間臭く感じる。

ちなみに、トラックメーカー関連の会社に勤める友人に依ると、トラックの保有台数はバブル期をピークに激減の一途らしい。このトラックが現役で活躍していた頃は、きっと長いボンネットの先には多少は明るい日本の未来が見えていたのかもしれない。トラックは道路では嫌われものだが、その数は国のパワーを示すバロメータでもある。

こういうトラックを運転していると肉体だけでなく、気持ちも男らしくなるような気がしてくる。しかし、荒くれただけの男ではなく、繊細さを併せ持った男。Tシャツではなくランニングが似合う男。と勝手に想像は膨らむが、トラックは夕陽に照らされて静かに錆びていく哀愁を漂わせていた。


▲トレーラーだったらしく後部に荷台はなくオレンジ色のシャシーがむき出しのまま。ボディのグリーンとシャシーのオレンジのコントラストがいい。


▲シャシーからのぞく駆動系も魅力的。


▲撮った写真で壁紙を作ってみました。(2540×1440ピクセル)