最近の撮影の仕事から

2009.12.09 Wed

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撮影を担当した「糸の宝石」(ラトルズ)が出版されました。
撮影と言っても、これも「おじいちゃんの封筒」と同様
複写に近いものだが、その中身は濃い。

恵比寿にあるアンティーク タミゼの店主である吉田氏が
パリの蚤の市で出会った古いレースとペンで書かれたその編み方を中心に
カタログ然と並べられた本である。

レース編みと言っても様々な種類があり
そしてその編み方を記した、ペンによる手書きの文字がとても美しい。
そこに書かれた文字は、レース編みの非常に根気のいる作業に
通じる几帳面さをひしひしと感じる。

時も経って、遠く離れた日本でこのように本になったが
これを作った人は、本にする意図もなく
後世にレースの編み方を伝えたくてただひたすらに
作り続けたのだろうか。

これを撮影するのでさえ、僕には根気のいる作業だったので
レースを編むという行為は縁遠い世界ではあるが
パリでひたすらこのサンプルを作り続けた女性(たぶん)に
会ってみたいと思わせる。

本の作りはクールだが、中身は女性の繊細さと根気強さに満ちた1冊である。

そういえばエッフェル塔の複雑な鉄骨の組み方も
レース編みに例えられることもある。
(同じ鉄塔でも東京タワーに比べて複雑なのは力学がまだ未熟だった為らしい。)
たしかにこの本に掲載されているレース編みの中には
それでエッフェル塔の形に編んだら、それらしくなりそうなものがある。

▼以下中身のページから

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